米ぬかと聞くと、ぬか漬けを思いつく人が多いと思います。ぬか漬けは発酵食品でもあり、健康にも良いと言われています。しかし、米ぬかがそのまま食べることができるものだと知らなかった、という人は多いのではないでしょうか。
実は、米ぬかはそのまま食べたり、料理やお菓子作りに利用して食べることができます。今回は、米ぬかをそのまま食べると、体にとってどんな効果が期待できるのか、米ぬかの食べ方についてお伝えしていきます。
1.そもそも米ぬかってなに?
米ぬかは、玄米を白米にするために精米する時にできるパウダー状の副産物です。
田んぼで収穫した「イネ」から、外側の「モミ」の部分をとりのぞくと、「玄米」ができます。この玄米を精米すると一般的に食べられている「白米」ができます。この精米をするときに、副産物としてできるのが「米ぬか」です。
米ぬかには米の栄養素の95%が含まれているといわれています。
米ぬかの原料は胚芽と種皮、果皮で、胚芽の部分には抗酸化作用のあるビタミン類やミネラル、体のデトックスを促すフィチン酸などの成分が多く含まれています。そのほかに食物繊維も豊富に含まれています。
つまり、米ぬかを捨ててしまうというのは、お米の栄養素をほとんど捨ててしまっているようなものです。
そう考えると米ぬかを捨ててしまうのはなんだか、もったいないですね。
2.米ぬかはそのまま食べられる
米ぬかは、ぬか漬けを作るときのぬか床に使うもので、そのまま食べるものではないと思っている人も多いかと思います。かく言う筆者自身も、以前は米ぬかはぬか床にするか、タケノコを茹でるときのあく取りに使うものと思っていました。
しかし、米ぬかそのものも食べることができます。生でそのまま食べるのではなく、米ぬかを煎った「いりぬか」にして食べると鮮度も保ちやすくなり、美味しく食べることができ、さまざまな料理にも使うことができます。
ビタミンやミネラル、食物繊維などの豊富な栄養素を含む米ぬかを食べることは、健康や美容の面で様々な効果が期待できるといわれています。
精米する前のぬかを取っていない玄米も白米に比べると、栄養が多く含まれていますが、硬くて炊くのが大変だったり、消化によくないというデメリットもあります。人によっては、玄米特有の匂いや味が苦手という場合もあるかもしれません。
その点、米ぬかを煎ったいりぬかであれば、玄米以上の豊富な栄養素を手軽にとることができます。
3.米ぬかを食べるとどんな効果があるの?
すでにご紹介したように、米ぬかには皮膚や粘膜の健康を保つ「ビタミンB群」、抗酸化作用をもつ「ビタミンE」、体の毒素を排出する「フィチン酸」などのほかに、現代人に不足しがちといわれている鉄分や食物繊維も豊富に含まれています。そのため、米ぬかを食べることで様々な健康、美容効果が期待できます。
具体的には
- 肌荒れの改善
- アトピー、花粉症などのアレルギー症状の改善
- ビタミンB群により肌の代謝が促進されることによる美肌効果
- ビタミンEの抗酸化作用によりメラニンの沈着を抑え、紫外線から肌を守る
- シミやしわを防ぐエイジングケア効果
- 便通の改善、腸内環境の改善
普段の食生活に、米ぬかを取り入れるだけでこれだけたくさんの効果が期待できるとなると、とても嬉しいですね。
4.米ぬかを美味しく食べる方法
では、米ぬかはどのようにして食べると良いのでしょうか。米ぬかは生のまま保存していると酸化が進んでしまいます。そのため、一度煎って「いりぬか」にして保存をしておくと酸化を防ぐことができ鮮度を保つことができるのでオススメです。
生の米ぬかをフライパンや厚手の鍋に入れ弱火で、焦げないように混ぜながら約5分ほど煎れば完成です。粗熱が取れたら清潔な保存容器に入れ冷蔵庫で保存します。
煎ったパウダー状の米ぬかは、そのままで、きな粉のようにヨーグルトやホットミルクに入れて食べることもできます。そのほか、お菓子作りや料理に使うこともできます。
- きな粉や黒胡麻と同じ要領で、蒸しパンや焼き菓子などに加える
- 揚げ物をするときの衣に混ぜて使う
- 肉そぼろにいりぬかを入れて作る
- ゴマやかつお節、塩と混ぜてふりかけにする
など、様々な料理に活用ができます。1日に食べる量は、大さじ1〜2杯を目安に少しずつ食べてみると良いでしょう。今回は、米ぬかは食べられるということと、米ぬかを食べることの効果と食べ方についてご紹介しました。これまで、米ぬかは食べるものではないと思っていた人はぜひ、米ぬかを食べることに挑戦してみてはいかがでしょうか?
また、栄養の面や健康、美容への効果に期待して玄米に挑戦してみたけど、味や食感が苦手で諦めていた人も、代わりに米ぬかを食べてみるのも良いかもしれませんね。意外にも近くのスーパーなどでも気軽に手に入れることができますよ。
まずはじめは、普段の食生活に無理のない範囲で少しづつ取り入れてみてください。